長期投資におすすめの株(銘柄)【東洋刃物】
こんにちは、長期投資家のカボス(@olivetrhm)です。
現在、私たち家族は二銘柄に集中投資しているのですが、
成績が芳しくなく、銘柄数を増やしたいと思い、他の投資先をずっと探していました。
ようやく、見つけることができたので、皆さんにご紹介します。
長期投資におすすめの株 その会社名は
かなり渋い銘柄です。
その会社名は東洋刃物株式会社(5964)です。
こちらの画像の通り、大正14年に設立して、従業員数は263人、
時価総額は22億円の超が付くほどの小型株です。
東洋刃物が製造する製品とは
同社が製造する製品は会社名のとおり、工業用の刃物です。
こちらが主要製品で、
特に売上の伸びが好調なのが、【情報産業用刃物】です。
情報産業用刃物について、もう少しご説明しますと、
主な用途として、スマートフォンの部品の切断に使用されます。
円状の刃物を下記ユニットに組み込み、矢印部分に挟み込むように切断していきます。
2011年以降は苦難の連続
2011年に震災の影響を直に受け、仙台市宮城野区の本社と、隣接する工場6棟が津波で損壊。被害額は13億円に達し、債務超過に陥りました。
被災を免れた工場で生産を移す等の対応をしたが、受注の半分しか生産できず、断続的に赤字を計上。
保有していた土地を売却することにより、何とか資金を捻出し、
規模縮小を図りながら、事業を継続させ、15年度には黒字を確保するものの、
時価総額は10億円に達せず、 2015年12月から上場廃止の猶予期間に入ってしまいました。
上場廃止回避のため、2016年に地域中核企業活性化ファンドから増資、転換社債により、6億円調達。
内5億円は設備投資に充てる。
情報機器部品を切る刃物の研磨精度を上げる精密研削盤などに約1億円、
鉄鋼用刃物の研磨精度を上げる平面研削盤などに約1億5千万円投資を行い、
ようやく2016年度以降に増益基調にさせる。
未曾有の大震災によって、壊滅的な被害を受けたにもかかわらず、見事に業績を回復させた。同社社長の経営手腕は非常に優れていると思う。
東洋刃物の2016年度~2019年度の戦略について
6億円調達後、同社は2016年~2019年度は下記戦略のもと、事業を進めております。
①高品質・高付加価値品の製造を目指す
②超精密部品の加工において随一のメーカーとしての地位を確立
③高精度精密製品の売上高構成比率を50%以上を目指す
その結果、どうなったかというと、コチラをご覧ください。
高精度精密製品の構成比率を上げた結果、営業利益率が向上。
まさしく、【有言実行】と言っていいのではないでしょうか。
刃物業界 他社比較
さて同社は業界内で3位という位置づけですが、
他社との業績などの比較表を作成しましたので、ご覧ください。
海外売上比率を他の二社と比べると、かなり低いね。そして、時価総額でも大きく差がある状況。
確かにそうだね。下記の通り、海外にも支店はあるんだけど、そこまで市場を開拓できていない様子。現時点では海外のネットワークは貧しいと言わざるおえない。
2020年度以降の戦略!大きな成長をエンジンを手に入れる
日本国内では情報産業用刃物の売上が伸び、着実に利益を増やしていけると思いますが、将来、大きく業績を伸ばすためには、海外への販路開拓が必須だと考えます。
そんな時、3月15日ビッグIRが発表されました。
http://www.toyoknife.co.jp/wordpress/wp-content/uploads/2019/03/20190315.pdf
フェローテックホールディングスが地域中核企業活性化ファンドから同社の株式の26%買い取り、筆頭株主になり、持ち分法適用会社にすることが決まりました。
フェローテックホールディングスの主力製品は真空シールと言われる半導体製造装置の部品で、世界シェア6割を確保し、海外売上比率は82%です。
フェローテックホールディングスの業績は下記の通り。
時価総額は約410億円
東洋刃物の20倍の規模の会社です。
先ほどのIRを読み解いていくと、今後の成長期待が持てる文言があります。
フェローテックホ-ルディングスの基盤である
半導体関連のグローバルネットワークを活用した高精度精密製品の販売強化、及びフェローテックホールディングスの子会社である杭州和源精密工具有限公司との協業による海外市場での効率的な販売展開
こちらがフェローテックの海外ネットワークです。
このネットワークを活用すれば、今まで未開拓だった米国、欧州地域にも売り込むことができるから、来期以降の海外売上の伸びに期待できる
そして、売上の伸びだけではなく、原価低減=利益率向上の可能性もあります。
材料・資材の調達についても、共同購買等によりコストダウンにつながる可能性を検討
東洋刃物は株主還元に積極的
フェローテックとの協業により、業績拡大に寄与する大きなエンジンを手に入れたわけですが、小型株に珍しく、同社は株主還元に積極的です。
さきほどのIRにも記載がありましたが、5月に自社株をする予定です
本資本業務提携は、フェローテックホールディングスが、REVIC ファンド(地域中核企業活性化ファンド)から当社株式 476,600株(議決権保有比率約 26%)を譲り受け、当社株主となることを条件として、開始いたします。なお、当社は、フェローテックの議決権保有比率を約 33.31%とするよう、本年5月を目途に、REVIC
ファンドが有する当社株式 389,300 株を取得する予定です。
ただ注意点としては、地域中核企業活性化ファンドは3月に転換社債を株に換えているので、 288,600株増加しています。
1,534,912株 + 288,600株(社債転換分)=1,823,512株(自己株除く)
1,823,512株 - 389,300株 = 1,434,212株(予定)
1,577,300株から1,434,212株に減少するため、理論上は約9%、一株あたりの価値は向上します。
こちらは同社が過去実施した自社株買いをした金額、
および、時価総額の推移です。
一度、時価総額10億円未満に陥り、上場廃止の危機に陥ったため、
株主還元の重要性を知っている経営者なのかもしれません。
長期投資として、買ってみました
弱小投資家ですが、私も少し買ってみました。
少なくとも一年間は保有してみようかと思います。