Jトラスト 2019年12月期決算の考察
こんにちは、カボス( @olivetrhm)です。
久しぶりにブログを更新します。
最近、副業でせどりを始めたので、そっちで忙しくなり、
ブログ更新をサボり気味です。
とはいえ、Jトラストの決算について記事を書いてほしいとリクエストを頂きましたので、考察を述べていきたいと思います。
Jトラスト 2019年12月期決算 全体の業績
ほぼ、計画通りの着地ですかね。
次にセグメント別です。
日本金融事業は想定通り、韓国はだいぶ利益上積みできたんだね。でもやっぱりインドネシアがダメダメだね。いつから黒字化できるんだろう。
そうだね。後ほど、セグメント別で解説するけど、インドネシアは今のペースでいくと今期黒字化も厳しいだろうね。
日本金融事業について
日本については安定的に収益を計上できましたね。ただ、来期予想が2割以上の減益見通しです。
これは個人的には保守的だと感じました。
日本保証の財務データを確認してみます。
2019.12月期は9か月決算なので、若干分かりづらいですが、仮に12か月決算だった場合、金額の大きい利息収入と保証料収益が対前年度比でどうなるのか比較してみます。
利息収入 :3,310百万円 ÷ 3(第三四半期まで) x 4 = 4,413百万円
利息収入対前年度比:△827百万円
保証料収益:1,993百万円 ÷ 3(第三四半期まで) x 4 = 2,657百万円
保証料収益対前年度比:+491百万円
差し引き:△336百万円
収入で△333百万円ってことは営業利益ベースで約100百万円程度の減益ですめばいいけど
日本金融事業は中期的には成長はあまり見込めないね。ただ、今期はプラス要因はある。決算動画で不良債権市場が日本、韓国と高騰していると述べていたね。韓国は2019年度にほとんど売ったけど、日本は2020年度に早いタイミングで売却すると言ってる。
一過性の利益かもしれないけど、今年は日本金融事業においては債権売却益を期待できる。
ということで個人的には2020年度の営業利益は30億円ではなく、35億円~40億円程度は計上できるのではないかと期待しています。
他にもクラウドファンディング型の保証事業等、新たな動きがありますが、
どの程度の利益を見込めるのか、まだよくわからないですね。
韓国金融事業について
2019年度はかなりよかったですね。
ただ、藤澤社長いわく【出来過ぎ】のようです。
2019年度は75億円計上していますが、そのうち、約10億円は債権売却益のため、それを差し引くと、65億円です。
2019年度は9か月で65億円(債権売却益を差し引いた数値)ってことは、今期は85億円は見込めるんじゃないのかなぁ?
今期の韓国金融事業の営業利益予想は58億円だったね。韓国の景気悪化を考慮して、貸倒引当金が増えることを見込んでいるみたい。ただ、【もともと審査をかなり厳しくしてるようなので、もしかしたらそこまで増えないかもしれない】とは言ってたね。
韓国は貸出残高年率5%増ではありますが、緩やかながら増えているので、今後も安定的に60億円~70億円程度、営業利益を計上していければいいですね。
東南アジア金融事業について
さてJトラストの問題児、インドネシア金融事業についてです。
毎度毎度、すさまじい損失ですね。
ほんと、インドネシアが無ければと思ってしまいます........
貸付残高も見てみましょう。
2019年度まで銀行から直接融資することは止めていたので、11月までどんどん残高は減少したね。ただ、ようやく12月から底を打ってる感じはある。
とはいえ、これだけ減ってしまうと営業費用、販管費を全く補うことができないね...
ほんとだね。上記はインドネシア銀行単体の財務データ。一見少なく見えるけど、不良債権をグループ会社のPT JTRUST INVESTMENTS INDONESIAに移しただけだから、実態は約70億円の赤字だね。
そうすると最低今の収益の倍にしないと黒字化にはならないね。
貸倒引当金もあるから倍以上だね。預金金利の低下は若干見込めるけど、預金残高は1,157億円まだ積み上がってるから、貸付残高も少なくとも1,000億円以上にしないとね。
貸付残高1,000億円はだいぶ時間がかかりそうですね。
オリンピンド単体の月間の貸付金額は最大10億円程度です。
この水準を維持していたら5年経っても貸付残高1,000億円はいきません。
以前、千葉専務は2020年度は現在の水準の10倍まで増やしていくことを息巻いていましたが、さすがにそこまではいかなくとも、希望としては40億円~50億円程度まで貸付額を増やしてほしいものです。
そこでネックとなるのは不良債権化ですが、
エフ・イー・ティーシステムとの業務提携し、債権に紐づく不動産の再生、
価値の向上も多少は図れるので、少しずつビジネス環境は良くなってはいると思います。
今後、どの程度、貸付残高を増やしていけるのか、月次のレポートを今後も注視していきたいと思います。
Jトラストロイヤルバンクについて(カンボジア)
月次のレポートをみて、ロイヤルバンクの貸出残高の伸びがすごいなと思っていたのですが、こんなことをコメントされていました。
貸付け可能な客層を上位1%⇒10%にしただけでここまで需要があるんだね
僕も驚いたよ。ただ、今ネックとなっているのは貸付用の現金が足りてないみたい。
今の資産状況を見てみます。
本当に毎月30~50億円程度の貸付をしようと思ったら、3か月程度で現金が枯渇してしまね。
その対策として、下記方法で現金集めを実施するみたい
①合弁会社のオーナー、王族、韓国(おそらく金融機関)に対して、
3か月定期預金(金利5%)
②日本の地銀がUSDを集め、Jトラストに貸し付け
③クラウドファンディングを活用(金利5%)
過去、インドネシアの事業を開始するときはかなり大きく風呂敷を広げていましたが、それと比較すると、貸付先はすでにあるので、あとはいかにして低利で現金を回収できるのかの話なので、現実味はありますよね。
ロイヤルバンクの月次も注視すれば、今回のこのコメントが本当の話なのかどうか分かるので、しっかりチェックしていきたいと思います。
GLとの裁判の行方は!?
言うまでもなく、注目すべきは3月20日です。
その日に5,000万USドルの返還期限が到来します。
こちらはウェッジホールディング社の貸借対照表ですが、
一応、流動負債として、1年以内償還予定の社債にUSD5,000万ドルは含まれているようです。
ウェッジ社の現金は118憶円なので、支払いしようと思えば何とかなると思いますが、
利息も含めて払ったら80億円にものぼり、残り40億円になり、今後の営業活動に支障をきたします。
ただ、ウェッジ社としては、裁判では【当該債権は正常で期限の利益は喪失していない】、【債権の支払い能力がある】と主張しているようなので、払わない場合は裁判で言ったことが虚偽になります。
ウェッジ社としては厳しい判断になりますが、
3月20日どうなるのか、両社のリリースを待ちたいと思います。
総評として、日本、韓国の安定収益源、カンボジアの成長性というプラス要素があり、
インドネシアの損失は今年からゆっっっくりと減っていくと事が期待されるので、
ホールド継続です。
投資は自己責任で。