日本アジアグループ 2019年度決算の考察
こんにちは、長期投資家のゆず( @olivetrhm)です。
約3年間、日本アジアグループの株を保有していましたが、
ザクティが本当には再建するのか不透明なため、保有株をすべて売却しました。
約10万円程度の損失です。
ただ、売電という安定収益源があるので、今後も日本アジアグループの決算はチェックしていきたいと思います。
日本アジアグループ2019年度決算資料をみて
早速ですが、5月17日に発表された日本アジアグループの決算説明資料をみた考察を述べたいと思います
資料上部に記載がある通り、ザクティによる損失△14億円の影響もあり、
18/3期比大幅な減益でした。
同社は支払利息だけでも15億円ありますので、経常利益は赤字に転落という厳しい決算となりました。
続いてセグメント別でも見てみましょう。
ザクティの業績が含まれる空間情報事業がかなり足を引っ張っているのが、
一目瞭然でお分かりいただけるかと思います。
空間情報事業について、もう少し見てみましょう。
ザクティ、国際航業も不調!
空間情報事業は主に国際航業、ザクティの業績から構成されているのですが、
ザクティだけでなく、国際航業も減益となり、不調ですね。
国際航業については期初予想数値に近い結果となったね。ザクティは想定外の大幅な赤字。原因は下記の通り。
①デジタルスチルカメラ市場の厳しい状況を受け、完成品販売台数減少の影響が大きく、計画を大幅に下回る
②発注元(メーカー)からの受注条件厳しく、モデルミックスの変化に伴う高原価の影響もあり収益改善進捗鈍い
①の市場環境については下記グラフのとおり、2年前に比べて、
45%くらい減少しています。
かなり市場環境が悪化している状況下で、前期行ったリストラは既存の設備にたいして、
18億円の減損のみです。(人員削減はなし)
そして今期は△7.5億円の赤字予想。
交渉決裂もやむなしという決意のもと望むメーカーとの価格交渉、
オリンピックを見据えて、マルチカメラシステム投入などで収益改善を考えているのかと思いますが、来期黒字化への道筋が私には全く見えてきませんでした。
今期の業績予想は?
下記表が今期の業績予想ですが、空間情報事業は△11億円の赤字。
国際航業についても新規事業先行投資負担等を見込み赤字予想。
数年前までは空間情報事業で10億円以上の営業利益は計上できていたんですけどね。
かなり厳しい状況です。
グリーンエネルギー事業は着実に出力数が増加しているのに、
減益予想なのはKHCの住宅事業が森林活性化事業にセグメント移動されているためです。
KHCの住宅事業は今期9億円程度の予想なので、それを差し引いて考えると実質はほぼ横ばいです。
森林活性化事業は前述の通り、住宅事業が加わっただけなので、こちらもほぼ横ばいの予想。
まとめ
同社はプロジェクトボンドで低利で資金調達するのは得意なので、
グリーンエネルギー事業は今後も少しずつ伸びていくと思いますが、
空間情報事業はもうどうなるかわかりません。
人員削減などでスリム化を図れば、短期での黒字化は可能かもしれませんが、成長ストーリーをイメージすることができなかったので、一旦、売却して現金化しました。
2020年度の決算についての記事はこちらです☟