【確定拠出年金】VS【個人年金】どっちがいいのか?3つの大切なメリットを公開
こんにちは、長期投資家のカボス( @olivetrhm)です。
今回は、【確定拠出年金】と【個人年金】についてどちらがお得なのか、
みなさんにご紹介したいと思います。
確定拠出年金(イデコ)、個人年金について
まずは簡単に二つの金融サービスについて、ご説明いたします。
【個人年金】生命保険の一種で、国民年金・厚生年金・共済年金などの公的年金とは別に、民間の保険会社に契約する年金保険のことをいいます。
【確定拠出年金】年金加入者が毎月一定額の掛金を拠出して、自分で運用します。イメージとしては、支払われた掛金が自分の口座に積み立てられ、運用して得られた給付金が60歳になったとき、自分に戻ってくる。名称はiDeCOとも言う。
これら金融商品を検討している人は国民年金、厚生年金とは別に、お金をもらえるように老後に備えたい!という人が多いよね。
よく、ファイナンシャルプランナーに相談すると、個人年金を進められるけど、どっちがいいのかなぁ。
そうだね。彼らとしては、個人年金を進めないと、保険会社から紹介料がもらえないから、どうしても【個人年金】を進めざるおえないところがあるからね。ただ、僕としては、将来に備えるんだったら、絶対、確定拠出年金(iDeco)がオススメ。今回はその理由について、説明するよ。
確定拠出年金(イデコ)の方が節税メリットが大きい(オススメの理由その①)
なんといっても、税制メリットがダントツに、
確定拠出年金(iDeCo)の方が、優れています。
まずは個人年金の税金控除額をみてみましょう。
例1:30歳男性 Aさん(年収400万円)が個人年金を毎月1万円(年間12万円)支払った場合
それぞれの課税所得から下記金額を差し引くことが可能です。
所得税控除額:4万円
住民税控除額:2.8万円
上記の通りとなり、実際の節税額は下記の通りとなります。
所得税:4,000円
住民税:2,800円
計 :6,800円
個人年金で年間12万円支払っているのに、節税額は6800円(所得税、住民税合わせて)にしかならないの!?
そうなんだ。個人年金の場合、年間の控除額は上限決まっているから、例え、20万円支払ったとしても、節税額は変わらない。
個人年金保険の教科書から下記表を引用させてもらいました。
こちらに支払い保険料に対して、控除額の計算方法が載っております。
一方、確定拠出年金の控除額をみてみましょう。
例2:30歳男性 Bさん(年収400万円)が確定拠出年金を毎月1万円(年間12万円)支払った場合
確定拠出年金の場合、支払った金額に対して、全額を控除させることができます。
所得税、住民税控除額:12万円
所得税:12,000円
住民税:12,000円
計 :24,000円
こんなに違うの!?年間17,200円も多く節税できちゃう!
この金額は結構大きいよね。仮に20年間支払いを継続した場合、344,000円(17,200 x 20年間)節税額に違いが出てくる。仮に年収がもっと高く、所得税を20%支払っている人はもっと、節税額に開きがでてくるよ。
確定拠出年金がいかに税制上、優れているのかが、お分かりいただけたかと思います。
ただ、一つ注意点として、確定拠出年金の掛金には上限があります。
下記表をご覧ください。
※りそな銀行のホームページを抜粋
これだけ優れた制度なので、無制限に毎月の支払額を設定できるわけではありません。
例えば、自営業の方は月額6.8万円までしか設定できませんし、
会社員の方であれば、月額2.3万円(会社が企業型確定拠出年金制度がない場合)が上限です。
月々の生活にゆとりがある方は、確定拠出年金を2.3万円(会社員の場合)、さらに個人年金で6.6千円支払うことによって、極限まで節税するという方法も可能ではあるよ。
確定拠出年金(イデコ)の場合、自由に運用先を選ぶことが可能(理由その②)
例えば、個人年金の場合、各企業が様々なラインナップで個人年金を商品設計しております。
保険会社というのは一般消費者からお金を集め、そのお金を現金で保有するのではなく、株、国債、社債などで運用を行います。
ただ、過度に価格変動リスクをとることはできないため、その大部分を国債などの元本保証があるもので運用し、利益を確保しようとするのですが、
最近では、日本の国債は非常に低金利で推移しているため、運用益をあげることに苦しみ、どんどん返戻率(※1)は悪くなっております。
【返戻率】とは契約者が支払う保険料の総額に対して受け取ることのできる「満期保険金 + 祝い金」の割合のことです。
上記ランキング1位の年金のかけはしは返戻率105~106%程度、
返戻率が高いと有名な4位のこだわり年金(マニュライフ生命)でも、
積み立て利率が3%前後で推移したとしても、135%程度と言われております。
個人年金の中で選んだ場合、絶対に元本を減らしたくない、為替リスクをとりたくない人は【年金のかけはし】を選び、海外債権など、リスクを許容できて、高い返戻率を得たいという人は【こだわり年金】を選ぶという選択になると思う。ちなみにマニュライフ生命の主な運用先は米国債、オーストラリア債になっている。
じゃあ、円高になったら、円の資産が減るというリスクがあるんだね。そして、日本人は投資を毛嫌いするけど、こういった保険は保険会社を介した間接的な海外投資になるよね!?
うん、そうだね。しかも、高コスト体質の保険会社に委託して、米国債などを購入するから、無駄な手数料を払っているんだ。図にするとこんな感じ。
そして、保険の話をすると良く出てくる【積立利率】とはこういうこと。
下記は金利3%と積立利率3%の場合の比較です。
一目瞭然ですが、金利3%とは自分が投資した全額に対して、3%がもらえる事になりますが、積立利率とは、支払った保険料から保険会社の取り分(利益等)差し引いて、残った部分に3%乗じたものになります。
当然、同じ3%でも積立利率のほうが金額は少なくなります。
なので、もともと海外の債権に投資しても良いという考えならば、
保険会社を介さずに、自分で投資したほうがいいという結論になります。
一例として、SBI証券の運用商品の一覧をみてみましょう。
こちらは海外債券だけに絞っています。
一番上の野村外国債券など、世界の債権に分散投資(国債債権グローバル)できるファンドや、上から三番目の三菱UFJ国債は新興国の債権(国債債権エマージング)のものもあります。
勿論、債券よりも、リターン追求したいということであれば、
国内外の株式に投資できるファンドもあります。
もしくは、現金だけにして、節税メリットだけ受けたいという人であれば、
株式、債券には一切投資せず、元本確保型の定期預金にすることもできます。
前述の通り、確定拠出年金であれば、掛け金をすべて、所得から差し引くことができるので、たとえ、掛け金の全額を日本円の定期預金にしたとしても、十分にメリットがあります。
絶対に含み損をしたくないという人には、日本円の定期預金なんていう選択肢もありかもしれないね。
このように、確定拠出年金を始めたからといって、リスク資産(株、債券)を買わなければいけないなんていうことはなく、リターンを追及したい人、リスクを回避したい人、どちらのニーズにも満たすことができる商品ラインナップがあるので、
選択肢の幅はかなり広いです。
確定拠出年金(イデコ)の場合、支払いがきつくなったら、中断はいつでも可能(理由その③)
個人年金の場合、月額の保険料は契約時の金額より、減らしたりすることは可能ですが、その保険商品によって、最低支払い価格は設定しております。
マニュライフ生命のこだわり個人年金であれば、最低一万円(月当たり)は必要です。
一方、確定拠出年金は途中で支払いを中断させることが可能です。
例えば、最初の15年間は毎月2万円を積立て、子供が高校から大学の間は掛け金を0円にすることも可能。その間、運用自体は引き続き、継続されるからお金は増える可能性はある。
勿論、60歳になるまではお金を口座から引き出すことはできないけど、それはデメリットではなく、メリットだと私は考えます。
なぜなら、その制度によって、強制的に長期投資を強いられることによって、
結果的に資産を拡大させることになる可能性が非常に高まるからです。
こちらをご覧ください。
これはアメリカのS&P500の株価推移です。
S&P500って、アメリカ株全体の時価総額をベースにした指数だね。
すべてのアメリカ上場株の株価の動きを網羅しているわけではないけど、難しいことはさておき、下記グラフを見てわかるとおり、長い目で見ると、一貫して上昇基調なんだ。つまり、どんなに不景気なときでも、小額でもいいからずっと投資を継続していれば、大きく利益を得ることができるということ。
歴史が示すとおり、アメリカについては、ITバブル崩壊、リーマンショックで一時的に急落しても、数年後には株価は戻っているということ。
なので、時間をかけることによって、結果的にリターンを得ることができるというのが、これが証左になります。
なので、基本的には毎月積立て、出費が多い時期は掛け金を抑えて、
長期で運用するということをすれば、多くの方が利益を享受できると私は考えます。
確定拠出年金の方が個人年金より、ダントツでお得!
いかがでしたか?
メリットを三つに絞って伸ばせていただきましたが、
個人年金よりも、確定拠出年金の方が、間違いなく、優れているということがお分かりいただけたかと思います。
なぜか、日本では【保険は安心、投資は怖い】という固定観念が根付よくあります。
保険にも得意、不得意なものがありますので、なんでもかんでも保険で済まそうとすると、無駄な出費がかさみ、今の生活を圧迫してしまいます。
保険に限らず、なんでもそうですが、間に誰かを介することによって、手数料は発生します。
今はこれだけでネットが普及しているので、【自分で調べて、直接、購入できる】時代なので、つねに情報収集は怠らないようにしていきたいと思います。
確定拠出年金について、さらにメリットを紹介している記事がこちらです。↓
【節約、節税、資産運用にオススメの方法】イデコ(iDeCo)の隠れたメリットを公開! - ズボラ主婦の株式投資ブログ(長期)