Jトラスト vs ウェッジホールディングス Jトラ社長がカンボジア検察から起訴!?
こんにちは、長期投資家のカボス( @olivetrhm)です。
久しぶりに株式投資の記事を書きます。
Jトラストとウェッジホールディングスの訴訟合戦が泥沼化してきましたね。
現在、起きていることを要点を解説します。
ウェッジホールディングスが公表!【Jトラスト藤澤社長が起訴された!?】
4月22日に下記IRが発表されました。
【ウェッジホールディングスIR】
えぇ~!?カンボジア検察から藤澤社長ら(他2名)が起訴された!?
このIRを見たときは正直、腰を抜かしました。
ただ、そのあと、すぐにJトラストから反論のIRありました。
【Jトラスト IR】
こちらの文書の通り、Jトラストが法律事務所を介して、調査した結果、
カンボジア検察庁に対して、告発したのは、此下氏(ウェッジホールディングス社長)であることが判明しました。
また、起訴というのは事実無根であるとも主張しています。
《告発とは》
犯人も被害者も除く第三者が、犯罪事実を検察関係者に知らせて訴追を求めること。さらに広く、不正の事があると暴いて人々に告げ知らせること。摘発。
つまり、単に此下氏がカンボジア検察に起訴するよう求めているだけとのこと。
そしてその後、すぐに此下氏は下記IRを発表しました。
【ウェッジホールディングスIR】
此下氏は自身の告発により
【検察は予審裁判の訴えを起こしている=起訴】と主張しています。
現時点では【起訴の定義】がポイントですが、
予審裁判とは何なのか調べてみました。
【予審とは】
旧刑事訴訟法で認められていた制度。公訴提起後、被告事件を公判に付すべきか否かを決定し、あわせて公判で取り調べにくい証拠を収集保全する手続きで、裁判官の権限に属していた。
噛み砕いて説明すると
公訴提起後(此下氏の訴え)によって、公判に付すべきか(裁判すべきか)を決定し、
公判(裁判)で取り調べにくい証拠を収集する手続き、とのこと。
(日本の法律なので、カンボジアでは多少異なると思います。)
個人的には現時点では、起訴するか否か、予審裁判によって判決が下ると解釈しています。
イメージ図で表すとこんな感じです。
Jトラストは実際に起訴されるのか?
今回の主戦場がカンボジアというのが、非常に怖いですよね。
というのも、Jトラストの株式取得行為等がグレーだとしたら、新興国では【金、人脈】によって、いくらでも黒にも白にも出来そうな気がしてならないです。
どっちが悪いのか主張しても、結局は正当性とかでなく、
違う部分で決まってしまうのではないでしょうか。
資金力ではJトラスト有利ですが、どうなるか全く予想つきません。
そもそも、なぜJトラストはPOH株を取得したのか
今回、ウェッジホールディングス社からのIRによって、
判明した事実があります。
それは、JトラストがGLH社の取引先(融資先)であるCougar Pacific社の親会社Pacific Opportunities Holdings S.a.r.l(以下、「POH」)社の株式を取得していた。ということです。
JトラストからPOH社の株式取得意図については、公表されておりませんが、
ウェッジホールディングス社からのIRから下記の通り、その影響が記載されています。
起訴された行為はGLH社の取引先に対して行われ、
GLH社の訴訟ならびに債権回収に支障が生じております。
当社としても、同容疑者らやJトラスト社は悪意を持ってGLH社の訴訟を妨害し、 債権回収を阻害していると考えております。
前回の記事に記載したとおり、
ウェッジ社は約一年以内に130億円という巨額の社債返済が迫っております。
ウェッジ社としては、債権回収を早期に行い、現金を確保する必要があるのですが、
JトラストがPOH社を株式取得にしたことにより、回収がうまくいっていない状態であるとことが分かりました。
Jトラストはキャッシュアウトさせることにより事業整理させ、
資産を譲渡してもらうことを目論んでいるのでしょう。
Jトラストが武富士を買収したときと同様のことが起きるのか?
過去の話に遡りますが、
Jトラストという会社が大きくなった理由は、
【債権を買いたたき、猛烈に回収】できたことでここまでの規模に成長しました。
顕著な例は、2012年に武富士の消費者金融部門(当時の融資残高380億円)を250億円の買収です。
(貸借対照表に記載されない簿外債権(1,300億円以上)も引き継いでいますので、請求可能な債権はもっと大きい額です。)
当時、武富士買収により下記矢印の通り、各項目で収益の増加が寄与しました。
特筆すべきは、赤枠の簿外債権からの収益です。
+63億円増と大幅高で、
しかも、すでに費用は損失として計上済みのため、収益=利益となります。
結果として、前期比2.2倍の120億円と大幅増となりました。
今回のウェッジ社との訴訟も同様のことが起きる可能性はあります。
(Jトラホルダーの希望的観測ですが....)
昨年度、JトラストはGL社に貸し付けた金額に対して、約200億円を貸倒引当金として、損失計上しました。
仮にJトラストが裁判に勝訴できれば、
現金回収に加え、営業貸付金を譲り受けることを要求すると思います。
営業貸付金の場合、すでに引当金は積み上げているので、
下記の通り利幅は大きくなります。
(利息収入+元本回収による引当金戻し入れ益)=粗利
【ウェッジホールディング社 貸借対照表】
簿外債権並みに利幅が大きくなります。
ただ今の時点で、どう転ぶ分かりません。
以前はJトラスト株の買い増しを検討していましたが、
他の銘柄に振り分け、リスクを分散していきます。